「薬剤師からCRAに転職するのはどうなの?」
「薬剤師を続けるのと、CRAになるのでは何が違う?」
「CRAに興味はあるけれど、転職して後悔しないか不安」
このように考えている方もいるのではないでしょうか。
CRA(臨床開発モニター)は、薬学の知識を活かしながら医薬品開発に携われる仕事です。
一方で、薬剤師とは仕事内容や働き方が大きく異なるため、転職する前にメリットとデメリットの両方を知っておくことが大切です。
私自身は薬剤師免許を取得した後、薬剤師として勤務してからCRAへ転職したわけではなく、新卒でCROへの就職を選びました。
この記事では、薬剤師からCRAを目指す場合に考えておきたいメリット・デメリットを紹介します。
薬剤師からCRAになるメリット
1.医薬品開発に携われる
CRAの大きな魅力は、新しい医薬品の開発に関われることです。
薬剤師は、すでに承認された医薬品を患者さんが安全に使用できるようサポートする仕事が中心です。
一方CRAは、新しい医薬品が承認される前の「治験」に関わります。
「新しい薬がどのように開発されるのか知りたい」
「将来患者さんに使われる医薬品の開発に関わりたい」
という方にとって、魅力的なキャリアです。
2.薬学の知識を企業で活かせる
薬剤師になるために学んだ医学・薬学の知識は、CRAの仕事でも活かせます。
例えば、薬の作用や副作用、疾患、治療方法などを理解する際に、大学で学んだ知識が役立ちます。
せっかく取得した薬剤師免許や薬学の知識を、
「薬局や病院以外の場所でも活かしたい」
と考えている方には、CRAは選択肢の一つになります。
3.企業で働く経験を積める
CRAは、製薬会社やCROなどの企業で働きます。
薬局や病院とは異なり、企業ならではの組織の中で仕事をするため、一般的なビジネススキルを身につける機会もあります。
例えば、
- ビジネスメール
- 会議
- プレゼンテーション
- PCを使った資料作成
- 社内外との調整
などです。
将来的に企業でキャリアを築きたい人にとって、大きな経験になります。
4.キャリアアップの選択肢がある
CRAとして経験を積んだ後は、企業によってさまざまなキャリアを目指せます。
例えば、
CRA
↓
経験を積む
↓
リーダー・マネージャー
↓
開発関連の別ポジションなど
というように、専門性を高めたり、マネジメントに進んだりすることができます。
薬剤師として働く場合とは異なるキャリアの広がりを期待できる点は、CRAの魅力の一つです。
5.仕事の幅が広く、新しい経験を積みやすい
CRAは、治験ごとに対象となる疾患や医薬品などが変わります。
そのため、仕事をしながら新しい知識を学ぶ機会が多くあります。
同じ仕事を毎日繰り返すよりも、
「新しいことを学びながら働きたい」
という方には向いているでしょう。
薬剤師からCRAになるデメリット
もちろん、CRAへの転職にはデメリットもあります。
1.患者さんと直接関わる機会が減る
薬剤師からCRAになると、患者さんとの直接的な関わりは少なくなります。
薬局や病院の薬剤師は、患者さんから直接話を聞いたり、薬の説明をしたりする機会があります。
一方CRAは、基本的に医師やCRCなど医療機関のスタッフと関わりながら治験を進める仕事です。
そのため、
「患者さんと直接関わることにやりがいを感じる」
という方は、転職後に物足りなさを感じる可能性があります。
2.覚えることが多い
CRAは薬学知識だけで仕事ができるわけではありません。
治験に関するルールや手順、社内システム、文書作成など、入社後に覚えることがたくさんあります。
さらに、担当する治験によって疾患や薬剤について新しく学ぶ必要もあります。
そのため、
「薬剤師免許があるから簡単に仕事ができる」
というわけではありません。
新しい知識を学び続ける姿勢が必要です。
3.多くの人との調整が必要
CRAは一人で完結する仕事ではありません。
医師、CRC、薬剤師、社内の担当者、製薬会社など、多くの関係者と連携します。
そのため、自分の考えだけで仕事を進めるのではなく、相手の状況を考えながら調整する必要があります。
コミュニケーションに苦手意識がある場合、最初は大変に感じることもあるでしょう。
4.出張や移動が発生することがある
CRAは、担当する治験や企業によって医療機関を訪問することがあります。
最近はオンラインでの面談や会議も増えていますが、担当施設によっては出張や移動が発生することもあります。
そのため、
「完全にデスクワークだけの仕事」
と考えていると、イメージとの違いが出るかもしれません。
5.忙しさに波がある
CRAは、治験の進行状況によって忙しさが変わります。
治験の立ち上げ時や締め切りが重なる時期などは、複数の業務を同時に進めなければならない場合があります。
一方で、常に同じ忙しさが続くとは限りません。
CROや担当するプロジェクトによっても違うため、企業研究の際には実際の働き方を確認しておきましょう。
薬剤師とCRA、どちらが向いている?
メリット・デメリットを踏まえると、向いている人にも違いがあります。
薬剤師が向いている人
- 患者さんと直接関わりたい
- 臨床現場で働きたい
- 薬を通して患者さんを支えたい
- 地域医療に関わりたい
CRAが向いている人
- 医薬品開発に興味がある
- 企業で働きたい
- 新しいことを学ぶのが好き
- さまざまな人と関わりながら仕事をしたい
- 長期的に企業でキャリアアップしたい
もちろん、どちらが優れているということではありません。
大切なのは、自分がどのような働き方をしたいのかを考えることです。
薬剤師からCRAへの転職で後悔しないために
CRAへの転職を考えているなら、まず「薬剤師を辞めたい」という気持ちだけで決めないことをおすすめします。
その代わりに、
「CRAになって何をしたいのか?」
を考えてみましょう。
例えば、
「新薬開発に関わりたい」
「薬学の知識を企業で活かしたい」
「企業で長期的なキャリアを築きたい」
など、具体的な理由があると、転職後のギャップも小さくなります。
また、CROによって仕事内容や研修制度、働き方は異なります。
転職前には複数の企業を比較し、
- 年収
- 休日・休暇
- 残業
- リモートワーク
- 出張
- 研修制度
- キャリアパス
- 扱っている治験領域
などを確認しましょう。
私は薬剤師ではなくCROへの就職を選びました
私は薬剤師免許を取得しましたが、薬剤師として薬局や病院で働くのではなく、CROへの就職を選びました。
医薬品開発に携われることに魅力を感じ、薬学の知識を企業で活かしたいと考えたからです。
就職活動では複数のCROを比較し、いろんなCROの選考を受けました。
複数の企業を比較したことで、同じCROでも企業によって特徴が違うことが分かりました。
CRAを目指す場合は、仕事内容だけでなく、「自分がどの企業で働きたいのか」まで考えて企業研究をすることをおすすめします。
まとめ|薬剤師からCRAへの転職は慎重に考えよう
薬剤師からCRAになるメリットには、
- 医薬品開発に携われる
- 薬学の知識を企業で活かせる
- 企業で働く経験を積める
- キャリアアップの選択肢がある
- 新しい経験を積みやすい
などがあります。
一方で、
- 患者さんと直接関わる機会が減る
- 覚えることが多い
- 多くの人との調整が必要
- 出張や移動が発生することがある
- 忙しさに波がある
といったデメリットもあります。
そのため、「CRAのほうが薬剤師より良い」と単純に考えるのではなく、自分がどんな仕事をしたいのか、どんな働き方をしたいのかを考えて決めることが大切です。
薬剤師免許を取得した後も、キャリアの選択肢は薬局や病院だけではありません。
「薬学の知識を活かして企業で働きたい」
「新薬開発に携わりたい」
と考えている方は、CRAというキャリアも検討してみてはいかがでしょうか。

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