「薬剤師になったら、薬局か病院で働くもの」
そんなイメージを持っていませんか?
薬剤師の資格や、大学で身につけた薬学・医学の知識を活かせる仕事は、薬局や病院以外にもあります。
私自身、薬学部を卒業して薬剤師免許を取得しましたが、薬剤師として薬局や病院で働く道ではなく、CROへの就職を選びました。
この記事では、薬剤師の資格や薬学の知識を活かせる仕事を10種類紹介します。
「薬剤師だけど、病院や薬局以外の仕事にも興味がある」という方は、ぜひ参考にしてください。
薬剤師の資格を活かせる仕事10選
薬剤師の資格や薬学の知識を活かせる代表的な仕事には、次のようなものがあります。
- CRA(臨床開発モニター)
- CRC(治験コーディネーター)
- MR(医薬情報担当者)
- 学術・DI
- メディカルライター
- 製薬企業の研究・開発
- 品質保証・品質管理
- CRO
- 医療系人材・キャリア関連
- 公務員・行政関連
それぞれ仕事内容や働き方が異なるため、自分が「何を重視して働きたいのか」を考えながら選ぶことが大切です。
1.CRA(臨床開発モニター)
CRAは「Clinical Research Associate」の略で、日本語では臨床開発モニターと呼ばれます。
新薬の有効性や安全性を確認するために行われる治験について、医療機関との調整や、治験が計画書や手順に沿って適切に実施されているかの確認、データの確認、報告書の作成などを行う仕事です。製薬会社だけでなく、CROでも働くことができます。
CRAは医学・薬学の知識を活かしやすく、実際に薬剤師資格を持つ人も多い職種です。また、国際共同治験などでは英語を使う機会もあります。
こんな人におすすめ
- 医薬品開発に携わりたい
- 薬学の知識を企業で活かしたい
- 新しいことに挑戦したい
- デスクワークだけでなく、人と関わる仕事もしたい
- 将来的にキャリアアップしたい
私自身も、薬剤師ではなくCROへの就職を選び、その中でCRAとして働く道を選びました。
2.CRC(治験コーディネーター)
CRCは「Clinical Research Coordinator」の略で、治験コーディネーターと呼ばれます。
治験を円滑に進めるために、医師や看護師、薬剤師、治験に参加する患者さんなど、さまざまな関係者の調整を行います。治験前の準備から、治験実施中のサポート、結果報告まで幅広い業務を担当します。
薬剤師としての医学・薬学の知識を活かしながら、患者さんや医療スタッフと近い距離で仕事がしたい人に向いています。
3.MR(医薬情報担当者)
MRは、製薬会社などに所属し、医師や薬剤師などの医療従事者に対して、自社医薬品の有効性、安全性、副作用、使用上の注意などの情報を提供する仕事です。
また、医療現場から医薬品に関する情報を収集する役割も担います。
薬剤師として身につけた薬学知識を活かしながら、医療従事者と積極的にコミュニケーションを取りたい人に向いている仕事です。
4.学術・DI
学術やDI(Drug Information)は、医薬品に関する情報を収集・整理し、医療従事者や社内の担当者に提供する仕事です。
薬の作用機序や副作用、文献などを調べることが多いため、薬剤師が大学で学んだ知識を活かしやすい分野です。
「人と話す営業よりも、薬や医学について調べることが好き」という人に向いています。
5.メディカルライター
メディカルライターは、医学・薬学に関する専門的な情報を、目的に合わせて文章としてまとめる仕事です。
医療従事者向けの資料や医薬品関連の文書など、専門知識を必要とするさまざまな文章の作成に携わります。
文章を書くことが好きで、薬学の知識を「伝える仕事」に活かしたい人には魅力的な選択肢です。
6.製薬企業の研究・開発
製薬企業では、新薬の研究や開発に関わる仕事があります。
研究職では創薬などの研究を、開発職では新薬の臨床開発などに携わります。
ただし、研究職などは職種によって求められる学歴や専門性が異なります。特に研究職では大学院修了者が多い傾向があります。
「将来、新しい医薬品を生み出す仕事に携わりたい」という人は、早い段階から必要な学歴・経験を確認しておくことが重要です。
7.品質保証・品質管理
製薬企業などでは、医薬品の品質を維持するための品質保証・品質管理に関する仕事があります。
製造や品質に関するルールが適切に守られているかを確認したり、品質に関する業務を管理したりするなど、医薬品の安全性を支える重要な仕事です。
薬学の知識を活かして、「患者さんに届く医薬品を支える仕事」がしたい人に向いています。
8.CRO(医薬品開発業務受託機関)
ここは、CRAと混同されやすいポイントです。
CRAは「職種」、CROは「会社・組織」です。
CROは「Contract Research Organization」の略で、製薬会社などから医薬品開発に関する業務を受託する会社を指します。
そのCROで働く職種の一つがCRAです。厚生労働省の職業情報でも、CRAは製薬会社またはCROに勤務するとされています。
つまり、
CRO=会社
CRA=仕事
と覚えておけば分かりやすいでしょう。
私がCROへの就職を選んだ理由
私自身、薬剤師免許を取得した後、薬局や病院で薬剤師として働くのではなく、CROへの就職を選びました。
その理由は、医薬品開発に携わることができ、仕事のやりがいや社会への貢献度が高いと感じたからです。
また、MRと比べて転勤の心配が少なく、女性でも長く働きやすいと感じたことも理由の一つでした。
さらに、薬剤師の仕事とは違って、毎日の仕事が完全にルーティン化されるのではなく、さまざまな治験や業務を経験しながら新しいことに挑戦できる環境にも魅力を感じました。
土日が休みで、休暇を取得しやすい点も、私がCROを選ぶうえで魅力的だと感じたポイントです。
もちろん、実際の働き方や制度は企業によって異なるため、企業研究の際には休日・休暇制度や勤務形態まで確認することをおすすめします。
9.医療系人材・キャリア関連
薬剤師や医療従事者の転職・キャリアを支援する仕事も選択肢の一つです。
薬剤師として培った業界知識を活かして、求職者のキャリア相談や求人紹介、採用支援などに携わります。
「人のキャリアをサポートすることに興味がある」という人に向いています。
10.公務員・行政関連
薬剤師免許を活かして、国や自治体などの行政機関で働く道もあります。
薬事、衛生、環境、食品など、薬学の知識を活かせる分野はさまざまです。
安定した働き方を重視したい人や、社会全体を支える仕事がしたい人にとって選択肢になります。
薬剤師が薬局・病院以外で働くメリット
薬剤師の資格を活かして企業などで働くことには、さまざまなメリットがあります。
1.キャリアの選択肢が広がる
薬剤師になったからといって、必ず薬局や病院で働かなければならないわけではありません。
CRA、MR、CRC、学術、品質関連など、自分の興味や得意分野に合わせて仕事を選べます。
2.薬学の知識を別の形で活かせる
薬剤師として患者さんに直接薬を渡す以外にも、薬学の知識を活かして医薬品開発や情報提供、品質管理などに携わることができます。
3.自分に合った働き方を探しやすい
仕事内容だけでなく、休日、勤務時間、転勤、リモートワークの有無など、自分が大切にしたい条件から仕事を選べるのも企業就職の魅力です。
薬剤師の資格を活かした転職・就職で大切なこと
「薬剤師免許があるから、どの仕事にも簡単に転職できる」というわけではありません。
職種によって必要なスキルや経験、採用条件は異なります。
そのため、
「薬剤師資格を活かせるか」だけでなく、「その仕事で何をしたいのか」
を考えることが大切です。
例えば、
「新薬開発に関わりたい」
→ CRA・製薬企業の開発職など
「医師や薬剤師とコミュニケーションを取りたい」
→ MR
「患者さんや医療スタッフと近い距離で働きたい」
→ CRC
「医薬品情報を調べるのが好き」
→ 学術・DI
というように、自分の興味から職種を絞っていくと選びやすくなります。
まとめ|薬剤師のキャリアは薬局・病院だけではない
薬剤師の資格や薬学の知識を活かせる仕事は、薬局や病院だけではありません。
CRA、CRC、MR、学術・DI、メディカルライター、製薬企業の研究・開発、品質関連、CRO、医療系人材、公務員など、さまざまな選択肢があります。
私自身も薬剤師免許を取得しましたが、薬剤師として働くのではなく、医薬品開発に携われるCROへの就職を選びました。
「薬剤師になったけど、薬局や病院以外で働きたい」
「薬学の知識を企業で活かしたい」
「将来のキャリアに悩んでいる」
という人は、薬剤師という資格だけにとらわれず、自分がどんな仕事をしたいのかを考えてみてください。
この記事が、薬剤師としてのキャリアを考えるきっかけになれば嬉しいです。


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